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【書評】ドイツ優勝。EURO2016開幕前、絶対に読まなければならない本が、そこにはある

世界中のサッカーファンの視線を、ヨーロッパが独り占めする日…。2016年6月10日、EURO2016が刻一刻と迫っています!大会の楽しみ方の一つとして「優勝国予想」をする人も多いかと思いますが、今大会は開催国のフランスを始め、スペイン、ドイツ、イングランド、ベルギーなどが多くあげられています。何が起こるかわからないEUROですが、そんな中でも僕は「ドイツが優勝する」と声高らかに宣言します!なぜ、そう思うのか?僕の根拠は、一冊の本の中にあります。

 
屈辱から改革へ

 
 今回は、著『パーフェクトマッチ ヨアヒム・レーヴ勝利の哲学』の内容に触れていきながら、今大会「ドイツ」に注目すべき理由を述べていこうと思います。本書は、ドイツサッカー改革の経緯と、ドイツ代表監督ヨアヒム・レーヴの人生を描いた一冊です。

 ドイツはかつて、大きな屈辱を味わいました。2000年、2004年と2大会連続で予選敗退という結果に終わり、他のヨーロッパ強豪国に明らかな差をつけられてしまいました。その大会こそが、EUROなのです。EUROで屈辱を味わったドイツは、それを機に「改革」を進めていくことになります。改革以降、大躍進を遂げ、再び世界の頂点に返り咲くことになりますが、それはあくまでワールドカップでの話。ドイツが最後にEUROを制したのは1996年大会、つまり改革が始まってから、まだかつての屈辱を晴らすには至っていないのです。ドイツにとって今大会は、ヨーロッパでの屈辱を晴らす唯一の、そして大きなチャンス!結果を出してくるに違いありません。

 
計画的な改革

 
前ドイツ代表監督ユルゲン・クリスマン、そしてヨアヒム・レーヴ。この2人の監督のよって進められた改革以降、ドイツは確実に結果を出し続けています。本書の主人公、レーヴが代表監督になってからの成績は以下の通り。

2008年EURO:2位
2010年W杯:3位
2012年EURO:3位(同位ポルトガル)
2014年W杯:優勝

ここまでコンスタントに結果を出し続けている国は他にありません。EUROをきっかけに始まった計画的な努力が成し得た「必然」です。

 
改革の特徴

 本書を読むことでわかるドイツ改革の特徴は、

 
 1.「ドイツ人以外の人」や「サッカー以外のもの」を取り入れる
 2.  個の強化

 
この2つです。各分野にスペシャリストを揃えたのはもちろんですが、フィットネストレーナーにアメリカ人を招いたり、心理学者をチームに加えたりと、多様性に富んだチームが結成されました。アメリカ人の妻を持つクリスマン、そしてスイスで指導者講習を受講したレーヴ、この2人ならではの改革と言えます。それについてドイツ国内では批判も多かったのですが、レーヴはそれを一蹴します。

「私たちが陸上選手の養成をしていると批判するのは馬鹿げている。的外れだ。それにアメリカ人(フィットネストレーナー)やスイス人(スカウト責任者)が何をもたらすことができるかという質問は失礼だ。ドイツという国が全てをできると考えるのは傲慢だ」

 レーヴが監督を受け継いでからは、「個の強化」により力が入れられました。個別にトレーニングメニューを作成し、課題を与え、毎週のリーグ戦でそれについてのフィードバックをする徹底ぶりでした。

「モットーは『自分を会社だと思え』だ。(中略)「会社にたとえるのは、選手は自分でキャリアのプランを立てなければいけないからだ。どんな道を歩みたいのか、明確でなければならない。そして、それを実現するための環境を自分で整える必要がある」

 
屈辱はEUROでしか晴らせない

 EUROで負けた屈辱を機に、計画的な改革を進めてきたドイツは、間違いなく今大会に標準を向けているはずです。かつてW杯を制した2年後のEUROで優勝した国は、2000年のフランスと、2012年のスペインのみ。今大会で、ドイツがその仲間入りをすることが出来るのかどうか。そしてかつての屈辱を晴らすことが出来るのかどうか。本書を読めば、僕がここまでドイツの結果を信じる理由が、わかっていただけるかと思います。ぜひ読んでみてください!

 
読書のすすめ

 ちなみに今大会に出場する全24チームの中で、監督についての本を読むことが出来るのは、今回紹介した本書の他に、スペイン代表ビセンテ・デル・ボスケ監督の『評伝 デル・ボスケ スペイン代表南アフリカW杯優勝の真実』があります。この2冊を読んでおけば、ドイツとスペインが対戦する際、より試合を楽しむことができます!監督以外では、クリスティアーノ・ロナウド選手についての本や、イブラヒモビッチ選手の自伝など、今大会注目選手についての本もありますので、ぜひみなさんも「読書」をして、6月10日の開幕を待ってみてはいかかでしょうか?ますます開幕が楽しみになること間違いなしです!

 

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About KA'zuma

KA'zuma
KA'zuma: 1992年生まれ東京都出身。いくつかのサッカーメディアで記事執筆しています。2016年世界のサッカーを観るためにアジアとヨーロッパ15ヶ国以上を歩き回って来ました。サッカーと本と、時々写真で生きています。

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