Home / ASIA / 【考察】アジア列強比較【Jの日程は本当にエグいのか?】

【考察】アジア列強比較【Jの日程は本当にエグいのか?】


「Jリーグは2ステージ制度で試合が多すぎる」というのは元々聞いていたが、実際はどうなのだろう?タイ・プレミアリーグのブリーラム・ユナイテッドが五冠を達成したニュースを聞き「本当にJは試合数多いのかな?」「でもブリーラムができたことをJはでき無いのかな?」と思い色々調べてみた。

 

・調査対象

アジア各国列強、原則優勝チームか準優勝チームか、それなりに名のあるチーム、かつデータ調べられるチーム

日本:広島(SanfrecceHiroshima)、浦和(UrawaReds)、ガンバ大阪(GambaOsaka)、
中国:広州恒大(GuangzhouEvergrande)、上海上港(Shanghai SIPG)
韓国:全北現代(JeonbukHyundai) ソウルFC(FC Seoul)
オーストラリア:WSW(WesternSydney) *秋春制
タイ:ブリーラム(BuriramUnited)ムアントン(MuanthongUnited)
サウジアラビア:アルヒラル(AlHilal) *秋春制

・調査データ

1シーズン内の公式戦試合数、内訳、得点数、およびそのうち外国人の占める割合

・調査方法

各種Webサイト等

・結果

アジア日程比較

検証結果①:Jは実際に試合数多い

 上記データを見ても、ガンバの今季61試合はすごいし、広島浦和もACL出てない他国クラブより多い。しかも天皇杯あるためシーズン終了は翌年元旦。それから約1カ月半のXEROX杯から次シーズン始動する。本当に春秋制なのかと(笑)
「仮に全タイトル制覇した場合」でも、Jはガンバがアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)、クラブ・ワールドカップ(CWC)、天皇杯制覇と仮定すると+8試合で最大67試合

 
一方で中国は広州恒大が国内カップ
(真面目にやって)優勝してたとして、+6試合で最大55試合。韓国Kリーグは最大62試合。オーストラリアAリーグはカップ戦ないので45試合

Jの場合は、以下の2点が大きい。

・第2のカップ戦(ヤマザキナビスコ杯)。しかもホーム&アウェイ
・チャンピオンシップ(CS)が増えた


カップ戦がない or チーム数が少ない(10チーム)オーストラリアと
最大20試合、中国と最大10試合以上差がつくからだ。


検証結果②:でもブリーラムもすごい


 唯一(筆者見つけた限り)
最大試合数がJを上回ったのがタイだ。ブリーラムが仮にACL&CWCで更に12試合増えれば最大68試合にもなる。


 理由はカップ戦が多いこと。ナビスコ杯に相当するKorRoyalCup、更にカンボジア王者と対戦したメコンチャンピオンシップ(トヨタ協賛)。というより、
五冠王ってのがいろいろありえない。国内だけで4冠。(スルガ銀行杯を入れるのか?とか◯◯杯は入れないのか?など異論は認めます。あくまで参考までに…。)


 ちなみにブリーラムの戦績を調べたら、カップ戦でも1回戦から外国人が点を決めている=手を抜かずにガチメンバーで挑んで勝ち取ってる。これはすごい。


「試合数多い=エグい 少ない=楽」とは一概に言えない


 とはいえ、Jの日程が一概にエグいとは言い切れないと思う。理由は中国やタイや外国を旅行したり行く機会が多い人なら理解できると思うが、
移動インフラが違う。日本はそもそも国土が狭いし、インフラがしっかりしてるから移動リスクも少ない。広州恒大、ブリーラムクラスなら試合によってチャーター機が可能だろうけども、特に中国は国土が広い。JのサポがACLで移動時の苦労を嘆くのもわかるのだけれど、中超(中国スーパーリーグ)は実は毎週ほぼそんな感じなのである。


 タイも都市部ならともかく、ブリーラムのようなやや郊外への移動は結構大変だと思う。移動距離も移動インフラの発達度も違うから。だから単純な試合数とエグさは、必ずしもイコールとは言い切れないのだ。


結論:でもやっぱJはエグい

<格差の小ささ>

 Jのエグさは別のところにもあると思う。チーム間で強さの格差が小さいこと。これに尽きると思う。例えば広島やガンバとモンテディオ山形や松本山雅でもいい勝負をする。これが広州恒大なら、最下位の上海申鑫に2試合で10点取ったし、ブリーラムもリーグ戦で4点以上が11試合!最後の12試合で55得点。


 逆にJは昇格後に優勝 or ACLが頻繁に起こる。
格差が小さい結果、中々メンバーを落とせない。ガンバはなんと36歳の遠藤保仁が58試合に先発。遠藤の凄さもあるが、中々休みにくい側面もあるんじゃないかと推測する。

 例えれば中国やタイはパワー値100.90のチームから40,50クラスもいる。だがJはどこも80~60くらいでひしめきあってるみたいな印象。


<外国人プレーヤー>

 リーグ内で力が拮抗してることともリンクするけど、ブリーラムは外国人プレーヤーがすごい。外国人は差をつけやすいのだ。元オリンピアコスのFWディオゴは公式戦45得点。驚いたのはベネズエラ代表のトゥネス、CBながらPKなどで稼ぎ18得点(リーグ9得点)自国選手最多がACLでガンバにFKを叩き込んだLBのブンタマンだが、それでも6点(リーグ3点)は寂しい。外国人得点率88%は驚異的。


 因みに広州恒大は外国人が怪我しまくったこともあり、今年は外国人得点率が過半数を下回った。ACLご覧になった方はわかると思うが、
もう外国人だけのチームではない「6年後に全員中国人にする」というビジョンを見据えている。(浦和はもうほぼできてるビジョンだけど)


 あと意外だったのはサウジアラビアの名門アルヒラル、
中東にしては意外に外国人得点率が低い。サウジは意外と自国ストライカーがいる点、アルヒラルはシャムラニ、カフタニらストライカーが揃ってるのもある。ただこれは昨シーズンなので、今季(15/16) はブラジル人アタッカーが得点量産し、シャムラニもベンチが多いのでこの統計は大きく変わるかもしれない。


 一方、Jは他国と比較し
外国人得点率がとても低い。浦和なんてそもそもズラタンだけだし。自国選手が多い、かつトップは欧州に行くとなると、正直日本人が多数をしめてしまうので、いろいろな面で差が出にくくなってしまう。筆者もJをぼちぼち観戦してて、「みんなうまいけど、みんな変わらない」印象があった。背番号や事前情報がないと誰かわからない。


 中超は、??なミスやラフなシーンも散見されるが、良くも悪くもキャラクターはある。あくまでも「良くも悪くも」だが。となるとブリーラムや広州恒大の5連覇みたいなのはJのクラブでは当分厳しいだろう。でもそれはそれでJの良さだとも思う。
どこが優勝するかわからないから、多くのサポーターが最後まで楽しめる。韓国も日本と同じ傾向にあるが、上位は相変わらずの財閥系チーム。これは韓国の経済の特殊性なのだろうか。

これらの要素もあいまって、前述の通り単純な試合数では計れないものの、トータルでいえばJの日程はエグいのだと思う。

Jが国際大会で競争力上げるには?

 そんな中でJリーグはこれからどうやったら、国際大会など海外でも競争力を高めていけるんだろうか。

・外国人、資金投下
 いい面もあるし、悪い面もある。これは必ずしもその国のサッカーのために良いとは限らないけど、極端な資金投下での強化を少し毛嫌いする傾向が全体的にあるのは、いまの日本サッカーにいいことではないと思う。

・自国選手のレベルアップ
 他国ができなくてJができることがあるとすればこれ。じゃあどうすればいいんだってのは誰もがずっと考えてることだけど。

・日程・ローテーションへの理解
 これがある意味Jでは物足りない印象。前述した通り、Jの日程がエグいとは一概に言えないのだけれど、とはいえ試合数が多いのも事実。戦力を落とすのが「手を抜いている」「観客はお金を払っているのに」といった声もあるが、そこはチーム全体の利益に対して理解する必要がサポーターにもあると思う。

・選手の国外流出
 Kリーグと共通の問題だが、これは仕方ないのかもしれない。Jをとるか、欧州で活躍をとるかでいったら、まず後者になってしまうのはわかる。

完全に自論なんですが、このへんが改善 or アホみたいな投資で均衡が崩れない限り、現状は続くんじゃないかなと思う。


いろいろエグいなかでのひとつのヒント


 広州恒大が代表選手を欧州組含めかき集めたのは結構知られているが、今季の韓国王者、全北現代の例が、ひとつのヒントになるのでは(あくまでも参考として興味深いという意味)。


 全北はJからキム・チャンス(元柏)、キム・ボギョン(元セレッソ、松本)、韓国国内は蔚山から代表FWキム・シンウク、浦項からFWコムヨル、全南からMFイ・ジョンホという、欧州移籍の可能性あった選手、国外組含め、新旧韓国代表を集めた。大量な資金投下での外国人プレーヤーの補強ができない点など、日本と似た状況の中でクラブを強化している。


 要は国内にいる代表選手クラスをかき集めることなんだけど、同じことを広島やガンバや浦和はできないと思う。いまのところ。なぜなら、

①全北や恒大ほど他クラブとの資金的優位性がない
②欧州への流出が多い中、競争相手が欧州クラブになると厳しい 
③「強奪」と言う風潮

 浦和が「強奪」などと非難される風潮は、正直にいってJの成長を妨げていると思う。気持ちは判るが、浦和以上に選手を繋ぎとめられない&常勝だけどタイトル取れない浦和を上回る待遇を提示できない広島にも、違和感を感じたほうがいいのではないかと思う。それでは、外資参入したり、欧州組が多量に帰国しかき集められたりしない限り、恒大や全北みたいなことは当分難しいと思う。


 Jはエグいかどうかは両論あるかもしれないが、これまであげたことを考えると
いまの日程でJが国内、アジアで抜きん出るのは中韓と比べてかなり困難なのは間違いないだろう。長くなってしまたけど、日程については議論が少なくないなか、じゃあ実際ほかの国はどうなの?ってところを調べてみました。

Photo credit: Wicker Paradise via Visual Hunt / CC BY

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

About zz

zz
ZZ:中国スーパーリーグ、ACLほかアジアなどよく観てますが、Jリーグも極力観るよう努力してます。在日中国人です。

Check Also

サガン鳥栖移籍が決定。ビクトル・イバルボのここを見ろ

サガン鳥栖移籍が決定したビクト …