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スポーツ心理学者が教える、「サッカーが上手くなる7つのコツ」

Daniel Abrahams(ダニエル・エイブラムス)。聞き慣れない名かもしれないが、ゴルフやサッカーを中心としたスポーツ分野で活躍する「スポーツ専門の心理学者」だ。一等学位を取得している心理学者であり、同時に元プロゴルファーでもある彼は、スポーツ選手の心理を完璧に把握する。

 クリスタル・パレスの攻撃において重要な役割を担うようになったMFヤニック・ボラシーも、彼のクライアントの1人だ。ボラシーは、ダニエルについて「彼のおかげで、僕はプレミアリーグにおいて自分を確立出来た。彼によって、僕の自信は天井知らずに押し上げられたんだ」とコメントしている。

元イングランド代表、トッテナム・ホットスパーズでは鬼神の様に中盤で相手を潰し続けたいぶし銀のMFスコット・パーカーも、「ダニエルのシンプルなテクニックは、選手の経験を問わず役立つことだろう」とコメントしている。多くのトッププレイヤーを担当する彼の存在は、フットボールの世界においても心理学者の知識が大きな武器になることを示唆している。イタリア代表やユベントスで活躍するCBボヌッチも、以前モチベーション担当コーチを雇っていた。

 本稿では、ダニエルが語る「フットボールが劇的に巧くなる7つの心理学的手法」を紹介しつつ、筆者が様々な識者の言葉、解釈などを付け加えながら進めていこうと思う。では、シンプルに噛み砕かれたスポーツ心理学の世界へ皆様をご招待しよう。

1、自分の最も素晴らしい試合を記憶し、思い浮かべよう

「記憶」は心理学において、最も重要な道具の1つである。サッカー選手は毎日5分を使い、自らのベストゲームを思い起こす必要がある。例えば、オランダ代表のストライカーとして名を馳せたロビン・ファン・ペルシーは毎日入浴しながら、自らのプレーをビデオで見つつ、試合を思い起こすという。ビデオ分析の発達によって、より客観的な目線で自分のプレーを見返すことも出来るようになっているが、イメージや記憶を活性化させるためには、映像無しでのイメージも重要なものだろう。

 同時に、自分がどの側面を重要視しているのかを知る手助けにもなる。筆者も一時期高校でフットボールノートを書くことを薦められていたが、そういった活動ともリンクしてくるのではないだろうか。

2、自分の理想となる試合を思い浮かべよう。

 想像は常に、自らの自信を回復させることに繋がる。ピッチ上で素晴らしいパフォーマンスを披露するためには、常に綿密な準備が必要となる。理想のパフォーマンスを常に思い浮かべることで、そういったパフォーマンスに近づくことが出来るだろう。理想のパフォーマンスを知ることは、「どのような練習が必要なのか」という問いに対するヒントも指し示すことになる。


3、自信と共に練習に取り組もう。

 ハードな練習をするだけでは意味がない。常に自信を持ってプレーし続けることで、成長に繋がる。自信を持ってパスを出し、自信を持って走ろう。ギリシャのスポーツ科学者Antonis Hatzigeorgiadis、 Nikos Zourbanosらの共同研究によれば、スポーツ選手は自らとの対話を行うことによって自信を増大させることが出来ることが解っている。自信を持って練習するために、自らの中で対話を行うことも1つの技だろう。本田圭佑が「リトル本田に聞いたら、ACミランと答えた」とインタビューで発言したのも、ある意味では「自らとの対話」だったのかもしれない。


4、パフォーマンスが向上していくことを、楽しもう

「結果に拘ることだけでは、フットボーラーとしての成長はない」とDan Abrahamsは考えている。自分のパフォーマンスが向上していくことを愛し、学ぶことに貪欲になり、勝利より過程を重視するべきなのだ。クリスティアーノ・ロナウドは試合で出来なかったプレーがあると、次の日の練習で出来るまで貪欲に繰り返すという。トップレベルのフットボーラーを作り上げるのは、成長することへの純粋な欲求なのだ。常にサッカーを好きでいることが、上達への重要なヒントだ。


5、オフ・ザ・ボールを愛そう

 ある意味では、フットボーラーがボールを持った状態でのプレーを好むのは当然だ。だからこそ、ボールを持っていない状態をどこまで楽しめるかが選手としての質を分ける。スペースへの走り込み、スペース、相手選手と味方選手の動き出し。自分のプレーだけではなく、様々な要素を常に意識しながらプレーしよう。

 それによって、より注意深い選手になることが出来る。ボールを持つまでの準備で、プレーの質は決定すると言っていい。ルイス・スアレスやネイマールのように、ボールを持たない時の動きに拘ろう。ボールを持っていない時間が大半であるからこそ、持たない時のプレーが選手の価値を変える。


6、現在をプレーしよう

 あなたが試合に出場する時、常に準備が出来ている必要がある。過去を思い出し、自らのミスについて考えることを捨てよう。また、遠い未来の想像をすることも良くない。現在のプレーに集中し、今から5秒以内に起こることだけを考えてプレーしよう。集中を切らさないためには、常に様々な思考を取り払うことが必要だ。勿論多くの事を考える必要は出てくるが、特に試合が切れていない状況では無駄な思考は命取りになる。


7、自由なプレーをしよう

 前向きにプレーし、常に勝利を目指そう。自由と共にプレーし、リスクのあるプレーを恐れずに行おう。ピッチでのプレーを楽しもう。常にボディーランゲージを使ってコミュニケーションを取りつつ、チームメイトのために全力を尽くそう。ボディーランゲージの重要さはあまり取り上げられる事はないが、ヨーロッパのトップリーグでは身につけるべきスキルとなりつつある。パスの方向を指示し、自らの空けるスペースを指し示す。試合の全体像を把握出来る選手であれば、組み立てのパスを指示することも出来る。日本代表で活躍した遠藤保仁も、こういったスキルを得意としていた。

 非常にシンプルな7つのスキルだが、常に重要なのはシンプルなものだ。スティーブ・ジョブスは「シンプルは複雑より難しい」という言葉を残し、ディエゴ・マラドーナは「サッカーはシンプルで美しい。複雑にしようとする人もいるが、それは許されるべきではない」と述べた。シンプルな技術を見直すことで、1つ上の選手になってみよう。

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About yuukikouhei

yuukikouhei
結城康平: DEAR Magazine 編集部で「KNOW」カテゴリ中心に編集、企画担当。やりたい事だけは沢山あるので、Dear Magazineと共に色々なことに挑戦していきたい。ジャンル問わずなんでも書く系。サッカー批評、Qolyなどに寄稿経験有り。今一番欲しいものは、新しいノートパソコンと可愛い小動物を飼える環境。好きなアーティストはエジンバラ出身のBlue Rose Code。

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