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サッカーは、フジロックだ。ロックを知らない私の音楽フェス


いつもの週末はサンフレッチェ広島の応援で日本のどこかに行っているボクが、この日はなぜかロックの祭典、「フジロック・フェスティバル」へ。音楽フェス未経験、ロックよく分かんないJリーグサポーターが、フジロックを楽しめるかどうか自信が全くないまま乗り込んだ理由は「Jリーグ苗場支部」。そこで感じたこと、それは、「サッカーはフジロックだ!」

「Jリーグ苗場支部」って?


 2006年からフジロックフェスティバル会場内で始まった、Jリーグや他の国内サッカークラブのサポーターが集まるイベント。昨年はフジロック2日目の午前11時からオアシスエリアで開催されました。それぞれのクラブのユニフォームを着て、参加者みんなで乾杯!クラブごとに自己紹介してチャント(応援歌)を唄うなどして交流する、というもので、最近では、フジロック公式HPや公式動画でも取り上げられたりしています。

 

初めてのフジロック・フェスティバル参戦

 
 来てみたのはいいものの、自分が場違いな場所に来てしまったように思えて「か…帰った方がいいかな…」なんてビビってきて、その心境をtwitterに漏らしていたんだけど。「そこは天国なので大丈夫!」と友人からの励ましの(?)リプライが。ほんとにフジロックに向かう道中からずっとビビってたんですよ。

リュックを背負いタイツを履いて、雨具(ポンチョ)だって準備して、家から長靴も履いてきた。折りたたみ椅子も買ってきたし、初参加とはいえそれなりに準備はしてきたつもり。でも現地に到着すると、周りの人たちがみんなベテランフジロッカーに見えて、みんな友達同士で楽しんでいて、自分だけが素人で、自分だけが楽しめてないような感覚になってきて…。音楽フェスは初めてで、ロックよく分かんない。音楽も、ましてや洋楽となると普段の生活で深くは関わってないので、もう完全に「お客さん状態」。

 これは初めてスタジアムに来た時の気持ちに似ているなと…。タオルマフラーもレプリカユニフォームも身につけて、見た目はサポーターのはず。なのに、なんか周りの人たちがやたら「コアなサポーター」に見える。その人たちはすごく楽しんでいるように見えて、自分だけはそっち側に入り込めないような。


音楽に詳しくなくても、音楽を楽しめる空間がある

 会場には越後湯沢駅からシャトルバスに乗っておよそ40分で到着。入場証の代わりになるリストバンドを受け取って、友達と合流。「Jリーグ苗場支部」にも参加する友達。友達に会えて安心して、ようやく周りが、景色が見えてきた気がした。たしかにチラホラとJリーグクラブのユニフォームを着た人がいて、「この人たちが参加者の方々か…」と。普段は”敵”だとしても今日は頼もしいボクの仲間って感じ!

 午前11時から始まった「Jリーグ苗場支部」は、Jリーグクラブのサポーターのみならず、JFLや地域リーグクラブのサポーターが一堂に会する空間。

自分のクラブや日本のサッカーが大好きな人がその想いを表現する場所。各クラブのチャント(応援歌)を聴いたり、歌ったり。柏レイソルとジェフユナイテッド市原・千葉、清水エスパルスとジュビロ磐田などのいわゆる「ダービー」関係にあるクラブのサポは煽りあったりして、その煽り合いが楽しくて楽しくて大笑い。「仲良くケンカできる環境って幸せだなぁ」と再確認。Jリーグクラブのサポーターに囲まれ、彼らと交流して、緊張は完全に解けて普段のスタジアムのように楽しみリラックスしてきた。


 この日は天気も良くてすごく気持ち良かった。晴れた大きな空から、ボクを見下ろすように雲が浮かんでいて、野性味あふれる樹々が木陰を作ってくれていたり。そもそも気温が、空気が、風が「下界」と違う。

 ここの自然もそうだけど、ここにいる人もそう。みんなが心を安らがせて、楽しもうとしているんだなぁってのがすぅ~っと伝わってきた。普段の生活とは180度違う、嫌なことはここにはなくて、無理をする必要なく自分が自分でいられるような感じ。「天国」…。普段の生活と比較したら確かにそれだったねぇ。

 フジロックの魅力ってこういうとこにあるのかなと思った。

集まった場所は音楽フェスだけど、「Jリーグ苗場支部」に来たらボクと同じサッカー好きがたくさんいて。ボクみたいにロックに詳しくなくても、サッカーで、自然で、音楽で楽しむことができる。みんなでワイワイやったり、お目当てのステージの合間は木陰や川のそばで涼んだり、会場にある屋台グルメ(通称:フジごはん)をかき込みながら、ビールを一杯グビリ。あれ?これってどこかで感じたことあるような。


音楽、自然、空気、人、その場所のすべてが心地いい

 
「Jリーグ苗場支部」の後、会場内を散策した時に気づいたこと。それはめちゃくちゃ不便なこと。

会場は広く、ステージ間は距離もある。自然の中なので、道は土や砂利でアップダウンもある。「ある日、森の中で熊さんに出会う」ならこんな道なのかも。そこを多くの人数が行き来するので、時間と場所によってはかなりの混雑・渋滞にもなる。そもそもフジロックの会場は、東京からだってそれなりに遠いし、その他の地方から来る人はそれ以上に遠い。天候だって雨が降るのが当たり前、グッズ購入やトイレで長い列に並ぶことも多々。要は不都合なことだらけ。でも、不思議といやな気持ちにはならなかった。

 もしかしたらフジロックに集まる人たちにとって、それらは不都合なんじゃなくて、そういうものも含めて「それが自分たちが大好きなフジロック」なのかも。

フジロックを好きな人たちが集まって、その空気を創っているから、ロックも音楽も詳しくなくて、滞在時間も短かかったボクも「フジロックって心地いい場所だなぁ」って感じられたし楽しめたんじゃないかな。音楽をというよりは、その場所や雰囲気を。楽しそうにしている人を見るだけでボクも「いいところに来た」と嬉しくなってきたし。


観客が観客を創る


 ボクがフジロックで感じたあの雰囲気から、Jリーグのスタジアムが学ぶべきこと。すごく多いのではないでしょうか。

 サッカーも不都合というか自分にとって思い通りにならないことが多いですよね。攻められっぱなしでずっと苦しい時間だったり、審判のジャッジに納得できない、ピッチが遠くて試合が見えにくい、雨が降ってきたのに屋根が無い、スタジアムグルメやトイレの長蛇の列などなど。

もちろん改善していくのは大事なんだけど、「それが自分たちが大好きなサッカー」ってことでね。

イライラプリプリするのでなく、それらを踏まえてやわらかに楽しむ人が増えたら、既存のサポーターだけじゃなく初めてスタジアムに来てくれたような人から「サッカーはよく分かんなかったけど、みんな楽しそうだったし、スタジアムは心地よかったなぁ」と思ってもらえるかもしれないですね。観客を創るのは、「観」客の「歓」迎、「歓」声だと思うんです。

スタジアムはフジロックであるべき


 観客が心地良いと感じるスタジアムは、クラブや選手、スタッフ、試合運営に関わる人たちだけでなく、そこに集うサポーターやファンによって創られるものでもあると思うんです。ボクはロックや音楽に詳しいわけじゃないけど、フジロックの雰囲気はすごく心地がよかったです。

それと似た感じで「サッカーはよく分からないけどスタジアムは心地よかった」という雰囲気を創ることはすごく大事なんじゃないでしょうか。サッカー詳しくなくても、今はまだ好きじゃなくても、それはまぁいいじゃないですか。スタジアムを心地いいと感じられるなら。


 もうすぐJリーグが開幕します。スタジアムを心地良いと感じる人がもっと増えますようにと、去年のフジロックの会場でボクが感じたことを思い出しながら、今年もスタジアムへ足を運ぼうと思います。

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About Kinori

Kinori
きのり: 関東在住広島サポ。3度のホームよりアウェイが好きなドM系ウザサポ。遠征しつつ各地のスタバに行ったり、美味しいものを食べたり。「広島を好きな人を増やしたい」がサポーター生活のモチベーション。

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