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ついに開幕!Jリーグにやってくる外国人新戦力のここを見ろ

黒船DAZN(ダゾーン)から得られる放映権料によって、欧州のリーグが莫大な利益を生み出す放映権ビジネスの世界に足を踏み入れたJリーグ。

移籍金が高騰する中国の地に多くの名選手が向かう中、Jリーグの各クラブには日本に馴染める「賢い補強」が求められている。グローバル化と共に海外でのスカウティング活動が更に重要となる流れの中で、新たに補強された新外国人選手は実際のところどうなのか。いよいよ開幕するJリーグを盛り上げる3人の外国人選手達を紹介・分析していく。

 

アルゼンチン産、緻密な大型ストライカー。ホアキン・ラリベイ/ジェフ・ユナイテッド千葉

 

ジェフ・ユナイテッド千葉が獲得したCFホアキン・ラリベイは、フリートランスファーで日本の地にやってきた。選手データを網羅するドイツのWEBサイトであるトランスファーマルクト(Transfermarktが評価する市場価値は400万ユーロ。

スペイン2部での挑戦を決めた柴崎岳が200万ユーロという査定になっていることを考えると、J1レベルでも十分に競えるレベルの補強であることが解るだろう。数年前まで欧州の第一線で活躍していたストライカーは、千葉の前線を根本的に変え得る。

http://www.transfermarkt.com/joaquin-larrivey/profil/spieler/52428

カリアリでプレーしたセリエAではステップアップ出来なかったが、母国アルゼンチン、メキシコを経てスペインの地で開花。ズラタン・イブラヒモビッチに憧れる長身プレイヤーは技術を求められるリーグで結果を積み重ねた。

子供の頃はバスケットボール選手を目指していたという長身から繰り出されるヘディングは威力抜群で、頭の角度を変えることで味方に合わせることも得意だ。また、相手より少し先に飛ぶことで相手をブロックしながら身体を浮かせるような技術にも長けている。抑え込むような技術を駆使した競り合いは、日本のDFにとっては経験することが少ないものかもしれない。

パスサッカーのチームに馴染んできたように、柔らかい足下はラリベイが世界に通用する最大の武器だ。大型とは思えない緻密なシュートタッチは独特で、ゴールの大半がインサイドキックから生まれていることからも解る。ニアを抜く正確なインサイドに加え、低いクロスをインサイドで合わせるのも得意。PKもインサイドで正確に蹴り込む彼は、見た目に似合わぬ緻密な技術で勝負する。丁寧なプレーをこなせるストライカーは、しっかりと日本に馴染みそうである。

セルタ・デ・ビーゴやラージョ・バジェカーノのように細かいパスを繋ぎながら攻め込むチームでプレーしていたこともあってか、常にチームプレーや周りのサポートの重要性について言及するFWらしくない性格でもあるが、エゴイスティックな選手よりも日本では馴染みやすいかもしれない。セルタ時代はエースとして君臨したノリートの突破とシュートをサポートするようなポジションを取り続けたように、脇役に徹することも出来る。

 

王国ブラジルが生んだ原石/チアゴ・ガジャルド&ホニ:アルビレックス新潟

 

アルビレックス新潟は、世界中に選手を輸出し続ける王国ブラジルから戦力を補充。ブラジル代表、エルナネスを思わせる懐の深いキープ力と、常に前線を見ているような球足の長いスルーパスを操るチアゴ・ガジャルド(27歳)は、指揮者として攻撃を統率することになるだろう。

一方で、彼のスルーパスを最大限に生かす相棒になり得るのがFWのホニだ。21歳の若さで異国にやってくるストライカーは、溢れ出すエネルギーを制御しきれていない原石だ。

ホニの裏に抜け出すスピードは必見で、動き出しに工夫がなくても抜群の加速力で相手を引き離す。相手を振り切る瞬発力に加え、そこから更に最高速に乗っていくところで伸びていく良質な筋肉の持ち主でもある。

フッキを思い起こさせるような迷いの無い突破は、大きめのタッチを全速力で追うというシンプルなもの。ドリブルの精度自体が高い訳ではないが、とにかく常にスピード勝負を挑もうとする積極性は厄介だ。

スピードに乗った状態でのシュート精度も高い訳ではなく、球種も少ない。それでも、反射的にアウトサイドで蹴ってみたり、浮かせてみたりとGKを外そうとする工夫は見られる。自分のスピードを生かしながら正確に蹴り込めるコースを理解することでシュートパターンを確立出来れば、更に得点は増えてくるだろう。

小さな身体に似合わない中距離砲も兼ね備えており、角度のない位置でも叩きつけるようなシュートを放つ。相手が距離を取れば、迷うことなく中距離砲に切り替えることが出来るのは強みだ。

ブラジルの選手というよりも、アフリカの選手に近い特色を備える若きストライカーは新たな環境に適応すれば急速な成長を遂げるだけのポテンシャルがある。新潟が彼の使い方を見出し、緻密で組織的な日本のサッカーを彼がスポンジのように吸収する時、何が起こるか楽しみでならない。

 

バルセロナ育ちの若き哲学者/ダビド・バブンスキ:横浜・F・マリノス

 

インスタグラムで砂の写真と共に、英国の詩人であるウィリアム・ブレイクが詠んだ「無垢の予兆」という詩を引用する22歳。横浜・F・マリノスにやってくるマケドニアの神童ダビド・バブンスキは、複数の言語を操る哲学者だ。

 

【一粒の砂のうちに世界を、そして野の花の中に天国をみる、わが掌のうちに無限を、そしてひとときの中に永遠を捉える。】

インタビューでも「哲学」について熱心に語っているように、ダビド・バブンスキという選手はピッチの外でも深い思索に潜り込んでいく。バルセロナユースにおいても抜群の創造力で知られたテクニシャンは、レッドスターでも中盤におけるプレーの速度で相手を寄せ付けなかった。ボールを受けながらの無駄の少ないターンと、正確なボールタッチ。

アイディアある縦パスやドリブルを正確な繋ぎのプレーと組み合わせる姿は、シャビやアンドレス・イニエスタというよりもチアゴ・アルカンタラやジャック・ウィルシャーに近い。「閃き」を重視するスタイルは、東欧の血によるものなのだろうか。

 

一方で、論理的なプレーを選ぶことも出来る柔軟性が武器だ。例えばこの場面では、裏に走る選手に直接合わせるよりも、「右に繋ぐことでコースを生み出すこと」を優先。周りが見えているからこそ、味方を使って崩す場面も少なくない。

また、見えている左の選手にパスを出すのを遅らせることで、ギリギリまでDFを引き付けつつ、彼が高い位置でボールを受けられるようにしたプレーも彼の頭脳を象徴している。

フィジカル的な弱さはあるとしても、バブンスキは22歳にして技術・戦術の両面で相当の完成度を誇る。2013年にはFCリバプール、バイエルン・ミュンヘンがスカウトを送り込んでいるという報道もあったように欧州のトップリーグに返り咲く素質を持った選手が国際都市・横浜にやってくる。

 

国際化していくJリーグと共に

 

今回紹介した3人の新加入選手を含めて、日本のクラブは中国やアメリカと嚙み合わないようにスカウト網を広げながら、優秀な選手を集めようとしている。

海外からも若手選手を獲得することで、「育成して売る」というビジネスモデルを構築するクラブも出てくるだろう。Jリーグが更に国外からも注目を浴びるようになれば、選手を売却する機会も増えてくる。

国際化によって様々な特性を持った選手と共にプレーすることは、日本の若手選手にとっても刺激になるはずだ。彼らの活躍によって、Jリーグが更に刺激的になるに違いない。

 

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About yuukikouhei

yuukikouhei
結城康平: DEAR Magazine 編集部で「KNOW」カテゴリ中心に編集、企画担当。やりたい事だけは沢山あるので、Dear Magazineと共に色々なことに挑戦していきたい。ジャンル問わずなんでも書く系。サッカー批評、Qolyなどに寄稿経験有り。今一番欲しいものは、新しいノートパソコンと可愛い小動物を飼える環境。好きなアーティストはエジンバラ出身のBlue Rose Code。

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