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第1回:サッカーよりも、衣食住 / 【世界一周】フットボール × 平和の旅

こんにちは!「世界一周」×「平和」×「football」というテーマで旅をしています。倉 夏海と申します。第0回で紹介していただいた通り、僕は高校のサッカー部の同期、山口と2人でサッカーボール持って世界1周をはじめました。現地の方がたと一緒にボールを蹴って、仲良くなったらいろいろお話しして、お互いのことを知っていこう!という旅をやっています。なんてことない20歳の普通の大学生が感じることを、素直に伝えていこうと思います。

 


彼らの24時間に、サッカーなんてない

 

 さて、2/1にカンボジアからスタートした僕らの旅、いきなり出鼻をくじかれます。

サッカーなんてだれもやってないんです。

トランジット(乗り換え)初経験で6時間待機、WiFiも使えず(イマイチ接続の仕方がわからず)、お金もなく、ひたすら待つのみ。カンボジアに深夜に着いてからも、空港が工事中で入れず、明るくなるまで、ものすごい湿気の中で蚊と闘いながらさらに待機。いきなり予定通りにいかない。この旅の目的、そのための手段、いろんなことに思いを巡らせます。深夜をやり過ごしてようやく散策に。

誰かサッカーしてないかなぁ。
誰か一緒にサッカーしないかなぁ。
グラウンドないかなぁ。
公園ないかなぁ。


そんなんない..。まったくないんです。サッカーって、世界最大のスポーツじゃないの..?ヨーロッパの移籍で動くお金って、1人の選手で何十億円(いまはもうそれ以上)とかじゃないの..?というか億ってほんとにお金なんかな。

 街には、逆走するわ、信号は無視するわの、ものすごい数のバイクと車。そんな砂けむりが起きる道の脇で見かけるのは、たくさんのこどもたち。遊んでるのかと思いきや、物乞いしてくる子、食材を切っている子、荷物を運んでる子や、おつかいに行ってる子。基本的に働いています。

はっきり言って、「一緒にサッカーしよう」とは口が裂けても言えなかった。

そして、道で路頭に迷っているとき、たまたま声をかけて、良くしてくれた女性が教えてくれたこと。

「ここの大学生は朝6時頃から12時頃まで勉強して、そこから自分の学費を稼ぐために仕事するんだよ。みんなもっと勉強したいって思ってるし、留学なんてしなくても英語や日本語話せる人がいっぱいいる」

 みんな無事に明日を迎えるために時間を使っている。もちろん全員が全員そうではなくて、中には裕福な子もいるかもしれないし、僕が少ない時間の中でしか見ていないものかもしれない。勘違いしているだけかもしれない。でも確かに、ここで生活している人たちの24時間に、サッカーなんて単語は存在しませんでした。

 

「NAKATA!!」


 そんな中で、やはり嬉しかったこと。僕らはボールを持って歩いているのでみなさん声をよく掛けてくださるんですが、なんとほぼ全員が、

「NAKATA!!!!」

と声を、近くから、遠くから、投げかけてくれます。僕らの世代でみんなが1番覚えている中田英寿選手の姿といえば、2006ドイツワールドカップのブラジル戦後の仰向けにピッチに倒れている姿です。

カンボジアの人はみんなどこで中田選手を知ったんだろう..。

 乗り換えの上海での待機室のテレビ。イタリア、セリエAのハイライトが放送され、映るのは、ACミラン10番の本田圭佑選手がミラノダービーでアシスト。その瞬間、ボールを手で持っている僕らは「HONDA!!!」と周りの方から声援を浴びる、といったことがありました。

 その国の、サッカー選手の名前をいうだけで、見ず知らずの人との間にある壁を、ひとつ壊すことができる。サッカーが世界の共通言語なんだなと、改めて感じた瞬間でした。

 見かける多くの男性がサッカーユニフォームのレプリカを来ていて、僕の大好きなチェルシーやマンチェスターユナイテッド、アーセナル、リヴァプールがほとんど。意外にメッシやロナウドなど、リーガ・エスパニョーラのチームは見かけなかった。プレミア・リーグのアジアマーケティングの影響を垣間見ることもできました。みんなプレミア大好きだからあんなごちゃごちゃした交通状態になるのかなと思ってみたり。ヨーロッパの人がカンボジアにきたら、友達めちゃくちゃできるんじゃないかなと思いました。

 

サッカーって、あたりまえ?

 

偶然、日本人に生まれたから僕はこういう旅もできて、
偶然、日本人に生まれたから僕はなんの支障もなくサッカーができる。

ご飯が食べたい。服が着たい。家に住みたい。

そんな日本では、「あたりまえ」のことを求めて生きていました。僕らの常識はやっぱりここでは非常識で、そんなことにも僕は20年間気づいているようで気づいていなかったんですね。

 アジアのサッカーがいま盛り上がってるとはよく聞くけど、実際に感じたことはすこし違いました。日本に置き換えてみると、開幕から20年以上経って、サッカーが人気スポーツだっていう意識(というかプライドみたいなもの)もあって、サッカー好きな自分にとってすこしは盛り上がってると思ってたJリーグ。もしかしたらこれも、日本全体からしたら全然そんなことないのでは..?そんな思いすらよぎります。

 そんな中で、どこの国でもサッカーが、ひととのつながりの接着剤になってくれるということを感じれたことはよかったです。旅はまたまだ始まったばかり。すこしずつ、すこしずつ色んなことを考えていきたいと思います。

Edited By DEAR Magazine

 

 

【世界一周】フットボール × 平和の旅。連載 第0回:大学生/倉 夏海

【世界一周】フットボール × 平和の旅。連載 第0回:大学生/倉 夏海

 

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About natsumi kura

natsumi kura
倉夏海:福岡に住む20歳の大学生。18歳までは地元、長崎県で選手としてプレー。12歳の時に全日本少年サッカー大会出場。16歳で長崎県国体選抜に選出。高校サッカー部引退後、出身クラブでコーチとして指導後、19歳でサッカーC級ライセンス取得。2月1日から世界一周中。

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